08/04/26 01:10:01 xzARgRTQ
「ポーラちゃんのこと その2」
「ふぇええええ、悲しいよぉおおお」
半べそでため息を吐くニホンちゃんの目の前には給食のお盆。
パンや牛乳がごてごて並んだその中に空っぽのお皿がひとつ。
そーです。
またもやあのいぢわる給食当番、チュウゴのヤローの仕業です。
調理実習の時間にあやつの餃子が原因で保健室に行った腹いせに、
「お前に喰わせるギョーザは無いアル!」と、
ニホンちゃんのお皿から餃子を強制撤去しやがりましたのです。
あああ、さようなら愛しの餃子さん。
もう二度と出会うことはないのですね?
悲しみに浸るニホンちゃん。
そこへ、ちょいちょい、とうつぶせの背中をつつく指があります。
「ふぇ~ん、こんな悲しい気分の時に、誰ですかあ?」
ふり向いたニホンちゃんの目の前に、
先割れスプーンの先に刺さったおいしそうなポークカツレツが!
「はい、あ~ん」
「あ、あ~ん」
無垢な瞳で見つめるポーラちゃんの言うがまま、
お口を開けてカツをほおばり、
むぐむぐ咀嚼にいそしむニホンちゃん。
「うふふ。おいしい?」
「ふぃい、おいひぃれすぅ」
「そう、良かった。まだまだいっぱいあるよ?」
ポーラちゃんの手元には、結構な量のカツが山盛りになったお皿がありました。
「うううう、美味しいよお。
美味しいけど、なんだか餌付けされている気分がするよぉお!」
ニホンちゃんの心の叫びは、
どうやら誰にも届かないようです。