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「ポーラちゃんのこと その1」
ポーラちゃんが、脚立の上でちょこんと横座り。
おっかなびっくり手を伸ばし、天井の電球を取り替えようと四苦八苦。
でも、そこはしょせん子供の腕。
いくら伸ばしても天井まではわずかに足らず、
なかなか電球はソケットにはまってくれません。
「ちょっと手こずっている見たいですねえ、ポーラさん。
ねえよかったら、私たちが手伝ってあげようか?」
親切に声をかけるはラスカちゃん。
その後ろには、なぜかエリザベスちゃんとフランソワーズちゃんにアーリアちゃんまでが、
意味ありげに目配せしあい控えています。
「うん、ありがとう。じゃあお願い。でも、どうやって……」
疑うことを知らないポーラちゃんの言葉が終わる前に、
4人はそれぞれ脚立の四隅を担ぎ、電球を中心にぐるぐる回り始めました。
「きゃあ、ちょっと、目が回る、わ、わ、あ、あれれ」
目を回し慌てるポーラちゃんをよそに、
その手に持った電球はソケットにすっぽりはまり、
くるくると締め上げられて、
気がつけば、電球の交換はいともあっさりと終わっていました。
「ああ、目が回った。でもみんな、とりあえずありがとうね」
「いえいえ、どういたしまして。
こんなやり方で良ければ、いつでもお手伝いしてあげるよ」
ポーラちゃんは、無垢な笑顔でにやにや笑う4人を見つめ返しました。
「本当? よかった。今度、おうちの壁のペンキを塗り替えるの。
手伝ってくれるんだよね、同じやり方で」