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『囁くアナタ』
「さあて、今日は何にしようかな?」
夕食のお使いに立ち寄ったスーパーの鮮魚コーナー。
少し迷った後、ニホンちゃんは思いきってある魚の名前を口にしようとしました。
「あのお、おじさん。あれ有りますか、あの、く、くじ……」
「くじ引きコーナーはこっちじゃないYO……」
いきなり耳元に囁く、変に熱っぽい声。
うう、なんだか息も臭い。
「だっ、誰なの!?」
顔をしかめて振り向くと、そこにいたのは黒いマスクをかぶった見覚えのある同級生。
「ア、アメリーくん?」
「ちっ、違う! お、俺は鮮魚コーナーの平和を守るブラック仮面だZE」
アメリーくんは後ろ向きにフェードアウトしながら去って行こうとして……こけました。
「ちょっと大丈夫、あのう、あ、アメリーくん?」
「ふふふ、ねらい通りにニホンは僕を転ばせたZE。全ては計算通り」
何事もなかったかのように立ち上がると、アメリー君はどこかに去ってゆきました。
「ふふふ、よくやったダスブラック仮面。
これでニホンちゃんもくじ……じゃない、あの魚じゃなくて牛を食べるはずダス」
アメリー君の耳元に、ぼそぼそと囁くその声は、紛れもなくオージーくんです。
「良いダスか、アメリー? 我々鮮魚コーナーの平和を守る正義の味方に休息はないダス!
仲間のグリーン仮面とともに、これからも頑張るダスよ」
アメリー君の手にコインを握らせながら、
熱く囁くオージーくんの目は熱い情熱に燃えていました。