08/01/13 19:46:37 xDBKBN95
『勝手な事を!』
「ほらニホン。畏れ多くも我が自らの手で書いた連絡網アルぞ」
「ああ、ご苦労様。ありがとうチュウゴくん」
新しく書き直したクラスの連絡網をチュウゴくんから受け取ると、
とりあえず軽~く目を通します。
“ん~、さすがにチュウゴくん。
こんな細かい作業は意外に地道にやるんだよねえ。あ、あれれ?”
びっしり書き込まれた文字の中、
よく見るとタイワンちゃんの名字がチュウゴくんの名字になっています。
こんなもの 、タイワンちゃん本人に見られたら大変です。
びりびりに破くと、ニホンちゃんはチュウゴくんに抗議します。
「ちょっと、チュウゴくん! この連絡網、嘘が書いてあるじゃないの!
タイワンちゃんの名字を勝手に変えて、どうするの!」
「フフフ。いずれタイワンは我がものに成るアルよ。
皆も正しい呼び方に慣れておくべきアル」
チュウゴくんはすました顔。
どうやら、悪いという自覚はないようです。
「なになに、何があったの、ニホンちゃん?」
騒ぎを聞きつけ、タイワンちゃん本人の登場です。
あちゃ~、と頭を抱えるニホンちゃんをよそに、破いた連絡網の切れ端を見て
事態を悟ったタイワンちゃんが激怒します。
「やい、チュウゴ! い、いい一体誰がお前の物になったって言うんだ!」
「いや、お前の母も我のことをいたく気に入っていて……」
「リップサービスを本気にするんじゃない、馬鹿ァ!」
甲高い怒声と低い含み笑いの応酬を聞きながら、
「つくづく、世の中にはろくな男が居ないわ」
とため息をつくニホンちゃんでした。