07/12/15 18:35:57 Brx2TaUB
『去年と違う貴女』
バスクさんが、かるくインテリアに手を掛けただけで、
メゾンイベリアの一番大きな部屋は舞い上がった埃でいっぱいになります。
「うわっ、ぺっ、ぺっ!
おい、姉貴! 最近掃除したのは、いったい何時だ?」
「う~~~ん、ちょっと覚えていないわ。先月の頭かな?」
黒のスリップでカウチに寝そべるフラメンコ先生、めんどくさそうに答え、
ワインのグラスをぐびり、と傾けます。
「先月の頭って、もう今月も真ん中過ぎるじゃないか。
ん、まぁいいや。ほれ、探しもん見つかったぜ。
払うもん払えよ。つーか、これくらい自分で探せよな」
バスクさんはもの入れの奥から発掘した衣装と引き替えに、
コインを受け取り手の上で数えます。
「少ない! 今月から、手間賃は4%値上げだっていっただろ?」
「そんな細かいこと言わないでよ―きゃあああああ!」
「どうした、姉貴!」
突然の悲鳴に、姉の元に駆け寄ったバスクさんが見たものは、
サンタの衣装と言うにはあまりにもセクシーな真っ赤な衣装の、
白いファーの縁取り付きミニスカートを履こうとし、
ウエストを収めきれないで居る、フラメンコ先生の半べそ姿。
「ねぇバスクぅ。今年のクリスマス、どうしよう?
子供達も楽しみにして居るんだよ、このサンタの衣装」
「いいから、痩せろ! すぐ痩せろ!
クリスマスまでに痩せろ!」
果たして、フラメンコ先生のダイエットは成功するのでしょうか?
それは、まだ誰にも判りません。