07/09/17 17:26:55 3138okk+
『いいも悪いもユーザー次第』
地球小学校のパソコン教室。いま、5年生が授業を受けているところです。
「じゃあこれで今日のパソコンの授業は終り。インターネットで調べものをする方法、覚えたかな?」
先生は、言葉を切ってみんなの顔を見わたしながら言いました。
「最後に大事なことをひとつ。インターネットを使うときは十分気をつけてね。ウィルスやスパイウェアが
送りつけられてデータを壊されたり個人情報を抜かれたりしないよう、ちゃんと対策を忘れないように」
みんながうなづくのを見て、先生は更にこう付け加えました。
「科学の力って使う人によっては悪いことにも使われてしまうの。『いいも悪いもユーザー次第』なのよ」
その日の昼休み、みんなは今日受けた授業のことを話題におしゃべりをしています。
「なあ、みんなウィルスとかスパイウェアとかの被害にあったことあるか?」
アメリー君が聞くと、アーリアちゃんが答えました。
「あるある。こないだメールを受信したら、ウィルス対策ソフトが警告を出したのよ。スパイウェアが
添付されていたみたいね」
「ほう、俺だけじゃないんだ。で、どんな奴がそいつを送りつけたんだ?」
アーリアちゃんは、記憶を呼び覚ますように少し小首をかしげていましたが、すぐ思い出しました。
「えっと、たしかクラスメイトからだった」
すると、横からエリザベスちゃんも口をはさみました。
「あら、あなたもクラスメイトからスパイウェアを送られたの?もしかしてその送り主って……」
するとそのとき、話の輪の中からそろそろと後ずさりして抜け出そうとする子がいたのです。
でもアメリー君は目ざとくそれを見つけ、いきなりその子の襟首をつかみました。そしてニヤリと笑い
ながらささやいたのです。
「さて、チューゴ、体育館の裏でゆっくり話を聞かせてもらおうじゃないか」