連続ドラマ小説「ニホンちゃん」33クール目at KOREA
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」33クール目 - 暇つぶし2ch506:U-33 ◆JOCEixq6zU
07/07/15 16:34:42 emDTXlVi
『家紋の事情』

 今日は、ニホンちゃんの家にみんなが集まって、お勉強会です。
「先ず、共同研究の家紋調べからやろう。みんな自分ちの家紋は調べてきたでしょうね」
 ニホンちゃんが言うと、みんなは口々に答えます。
「もちろんさ」
「ばっちりよ」
「じゃあ、それを切り抜いて模造紙に貼ろう」
 ニホンちゃんの合図で、それぞれがノートや画用紙に描いてきた家紋を貼って行きます。
 あらかた出来上がったところで、ニホンちゃんが模造紙を見て言いました。
「なんか、みんなの家の家紋って、鷲とかライオンが多いのね」
「まあ、ユーロ班に鷲が多いのは、ご先祖を辿っていくと大ローマ家に連なるからだね。
でもって、うちがその正統を受け継いでいるんで、うちの家紋は双頭の鷲なんだ」
 ロシアノビッチ君が言うと、すかざすアーリアちゃんが突っ込みます。
「ちょっと、どさくさまぎれにいい加減なこと言わないでよ。大ローマ家の正しい後継者は
うちなんだからね!!」
「まあまあ、喧嘩しないでね(私らアジア班にとってはそんなことどうでもいいんだけどね)」

 そんなことを言い合いながらワイワイやっているところに、タイワンちゃんが息せき切って
駆け込んできました。
「ごめーん、遅くなって。着ていく服が決まらなくて、迷ってたら遅くなっちゃった」
「また青い服がいいか緑がいいかで迷ってたんでしょ。ところで家紋調べやってきた?」
 ニホンちゃんが訊ねるとタイワンちゃんはなぜか口ごもります。
「あ、うん……」
「じゃあ見せて」
 ニホンちゃんは半ば強引にタイワンちゃんのノートを開きました。そこには丸い太陽から十二の
光芒が出ているマークが描かれていたのですが、なぜかその上に×がつけられていたのです。
「あら、どうして×を」
「……」
 無邪気に聞いたのですが、タイワンちゃんは黙り込んでしまいました。
 ニホンちゃんは、そのようすを見て「あ、まずい」と思いました。
「これって聞いちゃいけないことだったのかしら。タイワンちゃんの家の中も複雑みたいだし」


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