07/06/08 07:08:58 KeigFY11
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ある日の下校時間。ニホンちゃんとアメリー君が並んで歩いています。なにか真剣に話し込んでる様子ですね。
「だからさ、もうクジラを獲るのあきらめなよ、ニホンちゃん。今まで獲ったクジラの肉の在庫もだぶついて、倉庫に山積みらしいじゃないか」
「アメリー君、これは単に需要と供給の問題じゃないのよ。日の本家の伝統のためにクジラを獲るのは続けなきゃいけないの。
そもそもその需要が落ち込んだのだってクジラ会議でアメリー君やオージー君が私にクジラを獲らせないようにして供給がずっと細くなったせいなのよ」
「僕やオージーだけじゃない。エリザベスもフランスワーズもそしてゲルマッハにイン堂でさえもうクジラは獲るべきじゃないって言ってるじゃないか」
「アメリー君だって『ラスカちゃん分』とかいって獲って・・・」
「あれはニホンちゃんのとは違うよ。ラスカだけの分で他のところへは売ったりしないし」
「今月のクジラ会議での私の提案もそういうのだったんだけど反対したよね」
「それとこれとはまた別の話だよ。ニホンちゃん家とボクの家では流通ルートが違うだろ」
「なにが違うっていうのよ・・・」
大きな徒労感と深い失望感をもってニホンちゃんは大きなため息をつきました。
思えばクジラ会議の後はいつもこんな気持ちになっていることをしみじみ思い出します。