07/05/27 20:39:46 281FQ7bq
『ベトナちゃんの武者修行』
ベトナちゃんは一見華奢に見えますが、外見とはうらはらに地球小学校でも一二を争う実践格闘技の
使い手で、日々練習に励んでいます。でも、彼女は最近思い始めました。
「いつも家族とだけ練習してたんじゃ進歩がないわ。もっと強くなるには、誰か強い人に稽古をつけて
もらわなきゃ」
そこでベトナちゃんは誰のところへいけばいいか考えました。
「最後は私が勝ったけど、フランソワーズちゃんは一度は私のことをやっつけて子分にしてたくらいに
強いのよね。そうだ、あの子とならいい練習ができそううだわ」
ベトナちゃんはフランソワーズちゃんのところに行って稽古相手になってほしいと頼みました。すると
フランソワーズちゃんは言いました。
「実践格闘技ならロシアノビッチ君のほうが強いと思いますわ。私も彼のことをあと一息で倒せたの
ですけど返り討ちにあってしまいましたの。あんな寒いときに喧嘩をしたのが失敗でしたわ」
そこでベトナちゃんがロシアノビッチ君を訪ねて、同じように頼むと彼は意外なことを言います。
「それだったらニホンはどうだ?あいつ、あんな大人しそうな顔をしてるが、ずいぶん前のことだけど
俺を日本池に叩き込んだことがあるんだ」
今度はニホンちゃんのおうちに出かけていって頼むと、ニホンちゃんは答えました。
「私?前にアメリー君と大喧嘩をしてね、足腰立たなくなるまで叩きのめされたの。それ以来もめごとが
あっても絶対喧嘩はしないと決めてるの。そういうことは、アメリー君にでも言ってね」
最後にベトナちゃんはアメリー君の家を訪れました。そして頼みごとを切り出すと、アメリー君の顔が
真っ赤になり、こめかみに青筋が浮かんで怒りに震え始めたのです。
「お前……。せっかく忘れようと思ってた屈辱をまた思い出させに来たのか?こないだお前に負けた
ことがいいかげん悪夢になってるのに、傷口に塩を塗るようなことを言いに来るとはなんのまねだ」
ベトナちゃんは、あわてて飛んで帰りました。
家に帰ったベトナちゃんは思いました。
「私の家族は最強なんだ。練習はうちでするのが一番ね」