07/01/22 14:31:15 QQckas9L
>>115
これはちと専門的な話になるニダが、古代日本語には
同語源のもの同士はアクセントの高低の式(高く始まる
か低く始まるか)が一致するという法則が存在するニダよ。
発見者である故・金田一春彦の名を取って金田一法則
とも名付けられているこの法則は、ごく少数の例外を除き
極めて規則的に行なわれているので、これによって日本
語の語源研究は大きく進歩したニダ。で、問題の「わ(我)」
と「わたくし(私)」ニダが、「わ(我)」が平安来低起式である
のに対し「わたくし(私)」は平安来高起式なので、何らか
の理屈を付けて例外処理をしない限り、両者は別語源と
考えざるを得ないというわけニダ。
ただ、ニムのご指摘にもあるように、日本語の多拍語は
原則として複合語と見てよいので、「わたくし(私)」もまた
複合語であることは確実ニダ。問題は「わたくし(私)」の
語構成ニダが、意味的に見て「わ」は「わ(我)」以外では
説明しづらいということもあって、世間に出回っている語源
辞典等では、上記の事実に目をつぶり「わ(我)」と同源と
説明していることが多いニダ。しかしながら、「わ」を「わ(我)」
で何とか解釈したところで、残った「たくし」の部分の説明は
サパーリお手上げなので、現時点で中途半端にこういう処理
をしてもウリにはあまり意味あることとは思えないニダ。
なお、ここでいうアクセントとは京都を中心とする畿内方言
のアクセントを指すニダ。京都語は平安以来多くのアクセント
文献が存在するので、各時代のアクセント体系はほぼ明ら
かにされているニダ。