09/04/07 15:24:48 Q/YtfXwU
未知論証(ad ignorantiam)
A「B氏は地底人がいないと断言しているようだが、そんな証拠はない。地底人はいる」
Aの発言は、「XがYでない事は誰にも証明出来ない。故にXはYである」という形式
の推論で、これは未知論証という。
「結論できない」という前提から「結論」を推論しているので、前提と結論が矛盾する。
これは誤った二分法にも通じる。排中律を前提としない論証においては、証拠がないこと
を根拠に物事を証明することはできない。
この種の論証がもし有効であれば、部屋のなかにいるだけで宇宙のありとあらゆることが
証明可能になってしまう(「宇宙には果てがあるというが、そんな証拠はない。よって宇宙
には果てが無い」「引力は宇宙のすべての場所で機能しているというが、そんな証拠はない。
よって万有引力の法則は間違っている」等々)。
これは「A氏は地底人がいると断言しているようだが、そんな証拠はない。地底人はいない」
という一見すると常識的な論証についても同様であり、地底人の存在について何らかの論
証的な判断を下そうとする場合には、「証拠の有無」に対して「証拠がある場合は十分な吟
味により結論が推定され」「証拠が無い場合は論証的には何も言えない」とするのが正しい。
科学的方法においてしばしば未知論証が重大な誤謬の原因となる。(悪魔の証明)
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これもwiki。