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「ヒューマニズムの究極的帰結としてのラディカリズム」高 坂 邦 彦
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物や獣とは異なる人間の人間らしさを主張するというかぎりでは穏健その
ものにみえるヒューマニズム(人間至上主義)が、じつはその根底に、
「すべてが許されている。人間は何をしてもよい」という恐るべき非凡人論の萌芽を秘めている・・・・・・・・。
これこそ、ドストエフスキーの全作品を一貫して流れる根本的な見解に他ならない。
ドストエフスキーは、人道主義、博愛主義、理想主義を純粋培養して、その究極の正体
を暴露し、その自己破綻を顕示してこれを自滅させたのである。彼にとって、その主人公
たちの思索過程は、ヒューマニズムという近代精神に潜む悪魔的正体を明らかにするた
めの巧みな帰謬法的論理の展開にほかならない。彼らの深化発展する思索過程は、ラ
ディカルな否定主義が、一見高尚なヒューマニズムから導かれる究極的な結論であるこ
とを、論駁の余地なき徹底さをもって証明しているのである。