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「バターン死の行進」記事、ユダヤ人団体が文春に抗議 (読売新聞2006年1月14日)
【ロサンゼルス=古沢由紀子】日本軍が捕虜米兵らを炎天下歩かせた「バターン死の行進」に
ついての月刊「文芸春秋」の記事が「歴史を誤って伝えるものだ」として、ユダヤ人人権団体
「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・米ロサンゼルス)は13日、当地で抗議の記者会見
を開き、文春側に元捕虜らへの謝罪を求めた。
記事は、同誌の昨年12月号に掲載された「『バターン死の行進』女一人で踏破」。ジャーナリスト
の笹幸恵さんが、フィリピンで行進のルートを4日間かけてたどり、「栄養失調気味の私ですら
踏破できた」と報告。「日本軍による組織的残虐行為」との批判に、疑問を投げかけた。
行進を体験した元米兵でアリゾナ州立大名誉教授のレスター・テニーさん(86)は、文春側に
抗議文を送付。会見で、「水や食事をきちんととって歩いた彼女の行程は、当時の状況と
かけ離れている」と批判した。
同誌編集部は「抗議文などを見ておらず、現段階ではコメントできない」としている。
同センターは1995年、文芸春秋社の月刊誌「マルコポーロ」の「ナチスのガス室はなかった」と
する記事に抗議し、同誌は廃刊になった経緯がある。
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