07/07/21 03:25:27 z6PT6bQD
第154回国会 憲法調査会国際社会における日本のあり方に関する調査小委員会
第3号 平成14年5月9日(木曜日)
参考人(株式会社三井物産戦略研究所所長) 寺島 実郎君
○寺島参考人
この二十年の間というのは何を意味しているかというと、一九四九年に中国に共産中国が
成立して、毛沢東の中国ができた。アメリカのワシントンで、戦前から戦中戦後と、いわゆる
チャイナ・ロビーという言葉があるんですけれども、中国を支援して、反日親中国の論陣
あるいは活動を展開していた一群のグループがあるんです。例えば、ヘンリー・ルースなんと
いうタイム・ワーナーの創始者なんかがその中心にいた人物です。
彼は、たまたま山東省で長老派プロテスタント教会の宣教師の子供として中国に生まれて、
みずから育てたタイムとかライフとかフォーチュンなんという雑誌を駆使して、戦前のアメリカの
世論を、自分が生まれ育った中国にひたひたと攻め寄せていく日本を、中国を支援して排斥し
なきゃいけないという考え方で一大キャンペーンを張って、蒋介石夫人の宋美齢をアメリカに
呼んで一大ヒロインに祭り上げたりしたんですね。
要するに、真珠湾に向けて米国の世論を反日親中国に変えた男と言われていますけれども、
例えば、そのヘンリー・ルースのような男に代表されるチャイナ・ロビーの人たちが、今まで
自分たちが支援してきた蒋介石が敗れて台湾に追い詰められたことに衝撃を受けて、ちょうど
バイメタルがひっくり返るように、日本を西側陣営の一翼に取り込んで、戦後復興させて、反共
のとりでにしていかなきゃいけないという考え方がすっと浮かび上がったんですね。
翌年、御承知の朝鮮動乱。それが一九五一年のサンフランシスコ講和会議につながっていく
という意味は、当時ダレスとヘンリー・ルースの間に行き交っていた書簡なんかを、私「ふたつ
のフォーチュン」という本をそのことについて出しているんですけれども、分析してみるとよく
わかりますが、要するに、一群のチャイナ・ロビーの人たちが、大陸の中国を封じ込めるために、
日本を西側陣営に取り込んでいこうというシナリオがすっと浮上してきた。