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あたご衝突事故：防衛省が最終報告書 ３８人を一斉処分
2009年5月22日 11時31分 更新：5月22日 12時40分
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海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、防衛省は２２日、最終的な事故調査報告書を公表した。
操艦責任者の当直士官だった元水雷長、長岩友久３佐（３５）の不適切な見張り指揮に加え、相互にチェックすべき艦橋とＣＩＣ（戦闘指揮所）の当直員の連携不足を事故の直接的要因と断定。
事故前の当直士官の前航海長、後潟（うしろがた）桂太郎３佐（３６）の誤った引き継ぎや前艦長、舩渡健１佐（５４）の指導不十分などを間接的要因にあげ、舩渡１佐と長岩３佐を停職３０日、後潟３佐を同２０日とするなど３８人を一斉処分した。
報告書によると、事故半年前の０７年８月、訓練練度の評価試験で、たまたま長岩、後潟両３佐が事故時と同じ順序で当直士官の配置についた。
その際、総合判定は合格だったが、改善事項として視界不良時の見張りへの指示やＣＩＣの活用不十分、目標の確認不足などが指摘されていた。
また、事故当時の艦内では、装備の機能確認試験の報告書作成などで忙しく、当直員数を削減したほか、警報機能を切るなどレーダーの自動衝突予防機能も適切に活用していなかった。
その上で報告書は、長岩３佐ら艦橋やＣＩＣの当直員各自が、漁船群を確認したり、確認できる立場にありながら、危険はないと判断し、情報を共有しなかった連携不足を事故の直接要因と指摘。
▽清徳丸を含む航跡を「レーダーが見づらい」と消去し、「危険はない」などと安易に判断した後潟３佐の引き継ぎ
▽安全航行の指導や乗員の能力を徹底できなかった舩渡１佐の問題点
▽船舶航行が増える日本近海に達しながら、狭い地域を探査するモードにレーダーを切り替えていなかった前船務長の安宅辰人３佐（４４）らの指導不足
－－などを間接要因にあげた。
事故を巡っては、昨年３月、吉川栄治・前海幕長が他の不祥事とあわせて更迭されるなど１１幹部が処分された。
横浜地検は今年４月、業務上過失致死罪などで長岩、後潟両３佐を在宅起訴している。
後略