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落雷の死因解明 名工大、頭部直撃で呼吸停止
2010年5月5日 朝刊
名古屋工業大大学院の平田晃正准教授(情報工学)らのグループが、雷に直撃された場合の死因の詳細な解析に成功した。
頭部への直撃では呼吸が止まり、頭部以外の上半身の場合は心臓まひが起きて、それぞれ死因となる可能性が高いといい、米国の物理学専門雑誌に近く発表する。
平田准教授らは、コンピューター内に精巧に作られ、「臓器」を備えた人体モデルを利用。
人が雷の直撃を受けたときの体内の電流の流れや、温度上昇を再現した。
その結果、頭部への落雷では、脳の呼吸中枢に障害が発生。
そのために呼吸が停止する恐れが大きいことが分かった。
肩など上半身への直撃では、大動脈や大きな静脈などの血管を強い電流が流れ、それにより心停止する可能性が高かった。
実際の落雷では足がまひする人が多いが、足は胴体に比べて断面積が狭いため、電流の圧力が上がることが、原因だと分かった。
落雷による犠牲者はやけどを伴っている場合もあるが、呼吸困難や心停止に至る際、体温の上昇が死因となるほどではなかった。
平田准教授は「これまでは、落雷による電流が、特定の組織や臓器にどう流れ、死に至るかはっきり分かっていなかった。研究が進めば、落雷の被害者の治療にも役立つだろう」と話している。