08/12/18 01:13:13 sg7rc04r0
>>448続き
過酷な勤務で産科医が減り、残った産科医の負担がさらに増す悪循環。都内の総合センターは、母体搬送の5~7割を断っている状態だった。
今回のような悲劇はいつでも起こり得た。
問題の根本が、医師数の絶対的な不足にあるのは間違いない。だが、ネットワークが破綻(はたん)しないよう、できる工夫もある。
開業医の活用、救急など他診療科との連携、搬送先を速やかに決めるための調整役の配置などだ。しかし、都も厚生労働省も、
結果的に有効な手を打ってこなかった。
その背景には、行政の認識と情報の不足があると思う。例えば医療事故は、厚労省所管の財団法人「日本医療機能評価機構」への報告が、
大学病院などに義務付けられている。報告が少な過ぎるとの指摘もあるが、機構は事故情報を整理して医療機関に伝え、
再発防止に役立てるという形はできている。
だが、急患の受け入れを断ることは医療事故に当たらないため、行政にも機構にも情報は上がってこない。しかも、
一般救急なら救急隊を持つ消防本部がある程度全体像を把握できるのに対し、医師個人が病院を探す産科救急では全体像が見えにくい。
表面化するのは事例の一部に過ぎない。
「急患受け入れ拒否」が報道されると、医療界の一部から「医療崩壊を助長する」といったメディア批判が必ず出る。それは筋違いだと思う。
誰かに強引に責任を押しつけるような報道は慎むべきだが、報道がなければ関係者は危機感を共有できず、再発防止策も立てられないからだ。
また、医療を受ける側に、地域の産科を守る自覚と配慮を促すためにも、現状を積極的に知らせる必要がある。