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遠野方式、市民に浸透 助産院開院1年
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遠野市助産院「ねっと・ゆりかご」は、今月で開院1周年を迎えた。11月末までに延べ521人が利用し、48人が無事、出産した。
同市の新生児は年間200人前後で、初年度から4分の1近くの妊婦が利用するなど、市民へ着実に浸透。開設当初は9つだった
連携医療機関も、近く12施設に増える見通しで、産科医不在を補う「遠野方式」の取り組みは、順調な歩みをみせている。
「ねっと・ゆりかご」は2007年12月、同市松崎町に開院。出産は扱わず、パソコンなどを使ったモバイル遠隔健診で市外の10医療機関と連携。
助産師2人が常駐し、テレビ電話などで主治医の指示を受けながら、適切な出産・入院時期などをアドバイスする。
利用者のうち、延べ130人が遠隔健診を受診し、48人が出産を終えた。開院時の連携医療機関は9つだったが、その後
一関市の県立磐井病院が加わり、新たな連携先に盛岡市の村井産婦人科外科医院、一関市の一関病院が内定した。
菊池幸枝主任助産師(40)は「医療機関との連携も順調。協力してくださる先生方に大変感謝している。
遠隔健診だけというイメージもあるが、産前産後の相談や妊婦訪問をしているので、ぜひそちらも利用してほしい」と話す。
市外へ通院する妊婦の負担軽減のほか、病院とは違うアットホームな雰囲気や家族が健診に立ち会えることも評価されている。
妻が8月に盛岡市で出産した遠野市穀町の団体職員立花邦仁さん(29)は「エコー健診などに同席できると思っていなかった。
助産師の説明などを一緒に聞くことで、夫婦一体でお産に向き合えた」と振り返る。
市民の支援も着実に広がりつつある。これまでに100万円を超える寄付金が集まり、手作りの肌着やおむつなどの心温まるプレゼントも。
同市穀町の会社役員千葉教子さん(72)は「市民全体でこの有意義な取り組みを支えていく姿勢が必要だ」と強調する。
産科医不足は全国的な傾向で、遠野市の取り組みに学ぼうと関係者の視察が相次ぎ、既に35件に上る。
本田敏秋市長は「国でも遠隔医療の議論が本格化するなど、小さなまちで始まった取り組みが大きな動きにつながったと感じている。
環境整備を着実に進めれば、将来的には産科医確保ができると信じている」と語る。