08/12/04 14:01:15 pDuQTE9y0
>>731続き
仕事と育児の両立に悩み、女性産婦人科医の半数が10年目には、出産の現場を離れる。その中で、大阪市の大阪厚生年金病院産婦人科は
女性6人、男性4人が勤務する。育児中の女性は昼間の勤務だけで、当直の6割は地域の開業医や他病院の医師の応援でまかなっている。
また、勤務医の負担を軽減するための取り組みも各地で始まっている。広島県呉市では、産科医を2病院に集中し、正常なお産は開業医で、
危険が伴うお産は病院に振り分ける。重症の妊婦を受ける山口県立総合医療センターでは、助産師が妊婦健診の一部を担う。
東京都内で、8病院に受け入れを断られ、脳出血で妻を亡くした夫(36)は、札幌の搬送問題にコメントを寄せた。
「また一つ、救えたかもしれない尊い命が失われたことを知り、残念でなりません。死を無駄にして欲しくないと思います」。
対策に待ったはない。(この連載は、医療情報部・館林牧子、山崎光祥、北海道支社報道課・深谷敏之が担当しました)
産科医を増やす
妊婦や新生児の搬送先が見つからない根本的な原因は、産科医や新生児科医不足だ。医師数を増やすだけでなく、診療科ごとに定数枠を設け、
一定数を確保しなければ立ちゆかない。
その上で、昼夜なく産科救急の現場で働く病院の勤務医には、働きに見合った報酬を出す必要がある。待遇を改善することで、
希望する医師が増え、勤務体制など労働条件が緩和するようにしなければならない。
女性医師、開業医の活用
20歳代の産婦人科医の7割、30歳代の5割が女性医師。小児科医では20歳代で5割、30歳代で4割が女性だ。女性医師が出産後も
常勤医として産科や新生児の治療を継続できる環境作りが急務だ。育児と両立できる柔軟な勤務体系を整える。
行政が主導して、地域の病院と開業医が話し合い、病院勤務医の負担を減らすための役割分担や連携策を考える必要もある。
診療所で発生した妊婦の急患は、開業医も病院に同行し共に治療する形も連携の一つ。公立病院の中には、公務員以外の医師が
病院内で診療できないという規則を持つ病院がある。むしろ連携を促す仕組み作りが必要だ。(医療情報部 館林牧子)