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産科救急 (下)月505時間 過酷勤務
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また、新たな産科救急問題が明るみに出た。昨年11月、札幌市の自宅で30歳代の女性が早産した未熟児(約1300グラム)が
7病院で受け入れられず、その後死亡した。新生児集中治療室(NICU)が満床などの理由だった。
集中治療によって、未熟児の生存率は飛躍的に向上し、日本は世界でもトップ水準を維持している。しかし、
出産年齢の高齢化などで未熟児が増加し、NICUは慢性的な不足状態だ。
少しずつだが、行政も増床を進めてきた。当時、受け入れを打診された北海道立子ども総合医療・療育センターはその2か月前に開設。
NICU9床を設置予定だった。ところが、看護師の確保ができず、6床で稼働していた。
去る10月、脳出血を起こした妊婦(36)が死亡した東京都立墨東病院でも、今春、NICUを3床増やして15床にしたが、
看護師不足のため増床分は使っていない。
ベッドを増やしても、人が確保できない。
さいたま市の自治医大さいたま医療センターは、来年10月から、NICU6床を含む周産期母子医療センターを稼働させる予定だったが、
新生児科医と産科医確保の難しさから、再来年以降に延期された。
産婦人科医はここ10年で1割減った。医師不足が勤務状況を悪化させ、志望者を減らす悪循環を生んでいる。日本産科婦人科学会が
今年行った調査では、大学病院の産婦人科医の1か月の当直は平均6回。最も多い医師は15回だった。この医師の勤務時間は月505時間、
休日をまったく取らずに1日17時間働いた計算になる。
医師不足の悪循環を止めるためには、働きやすい環境の整備が不可欠だ。文科省は来年度から医学部の定員を大幅に増やすが、
育成には時間がかかる。女性医師や開業医の活用など工夫が求められている。