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札幌未熟児死亡 2病院はNICU持たず、5病院は満床
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札幌市の女性が自宅で早産した未熟児が昨年11月、病院に相次いで受け入れを断られ、8カ所目となる搬送先の病院で
数日後に死亡した問題で、7病院は、未熟児の治療に必要な新生児集中治療室(NICU)が満床だったり、
備わっていなかったりしていたことが分かった。当時、「たらい回し」の末の妊婦や胎児の死が問題化していた。
なぜ、教訓は生かされなかったのか。
未熟児の受け入れを断った病院のうち、NICU病床を持つのは5病院(計42床)。
高度医療の中核である総合周産期母子医療センターに指定されている市立札幌病院(NICU9床)は「当日夜は満床のうえ、
当直医師も別の新生児の治療中で引き受けられなかった」と説明。翌日になってNICUに空きができ、搬送先となった
手稲渓仁会病院に転院を打診したが、「動かせる状態になかった」という。
札幌市内で最多の12床を備える天使病院は「当時の記録は残っていないが、満床で断ったと思う」、札幌医大病院は
「満床だったので断った可能性が強い」と話した。北大病院は当日、院内感染対策でNICUを消毒中で、「受け入れ不能の状態だったはず」という。
消防と病院の意思疎通の不足を思わせる事態もあった。
7カ所目の要請先だった道立子ども総合医療・療育センターは、NICUは満床だったが「調整をしてみるので、後で連絡したい」と回答。
だが市消防局は「それなら渓仁会に連絡する」とだけ答え電話を切ったという。同センターは「断ったという意識はない。
最大限の努力はするつもりだった」と困惑する。
NICUを持たない2病院も要請を受けた。
札幌徳洲会病院は「この症状では当院での治療は無理という判断が当然。設備のある病院で手だてを作ってもらわなければ困る」と説明。
KKR札幌医療センターも「毎晩産科医がいるわけではないし、そもそも急患は妊娠34週以降に限っている」と要請自体を疑問視する。
市消防局は、これら7病院への搬送要請について「次々と断られたので範囲を広げるしかなかった」と説明している
未熟児を受け入れなかった病院とその理由
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