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中日新聞:社説 2008年12月25日
産科補償制度 信頼回復に役立てたい
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重い脳性マヒで生まれた子供を救済する産科医療の「無過失補償制度」が来年から始まる。不十分な点が残るとはいえ、
わが国初の制度だ。今後、対象範囲を拡大するなど大きく育てていきたい。
産科医療補償制度は、通常の妊娠・出産で医療機関に特段の落ち度がなくても、一定の確率で生まれる脳性マヒの子供を
救済するとともに、原因を究明し、再発防止を図るのが狙いだ。
脳性マヒだと分かると、20歳になるまでに一時金と介護費合わせて総額3千万円が支給される。補償対象者は年間500人から800人とみられる。
医師千人当たりの診療科別の医療事故訴訟の中で産婦人科は16.8件(2006年)と最多で、深刻な産科医不足を招く
大きな要因と以前から指摘されていた。
脳性マヒが訴訟の大部分を占めていることを踏まえれば、補償制度の活用で訴訟の減少が期待される。この点は評価したい。
だが、改善すべき点が多い。
補償対象を脳性マヒに限定したうえ、同じ脳性マヒの中でも染色体異常など先天性の場合などは除外している。
なぜ脳性マヒ全体、さらに他の疾患にも対象を拡大しないのかとの批判が起きている。
運営状況をみながら補償対象を少しずつ拡大してもらいたい。