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日本農業新聞:論説 2008年12月24日
地域医療/医師不足の解消が急務
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島根県の石西厚生連が破産申告したニュースは、地元だけでなく全国の地域医療に携わる人々に動揺を与えた。
時に報じられる都会の民間病院の廃院などとは、インパクトが違う。特に厚生連の経営陣や病院長らは、一様に
「対岸の火事ではない」と受け止めている。問題の根の深さを考えると、既に厚生連や病院などの自助努力に頼るには限界を超えている。
地域住民の命を守るため、国に政策変更を迫る時にきている。
石西厚生連は、1919年に当時の産業組合が、旧日原町(現津和野町)に診療所を設けたことに端を発して活動してきた。
農村医療の原点とも言うべき地であり、全国の厚生連活動の象徴的な存在ですらあった。貧困にあえぐ「農家組合員の命を守る」
という理念の下に、度重なる苦難を乗り越えてきた。しかしついに、苦渋の決断を迫られる時を迎えてしまった。
全国に117ある厚生連の病院は、その半数以上が人口5万人未満の医療圏に立地する。石西厚生連もそのうちの一つだ。
周辺は中山間地で、高齢化や過疎化が進み、集落自体の存続が危ぶまれるところもある。もし撤退したり、廃院したりすると、
無医地区になる可能性があり、不採算ではあっても続けなければならない状況にある。
こうした地域での病院経営は、困難を極める。約7割の厚生連病院が赤字といわれる。残り黒字3割も
「診療だけでは赤字。診療外の収入で補っているから何とか成り立っている」(中国四国地方の厚生連病院長)という。