08/12/14 18:32:01 PHgZfGR00
>>435続き
「医師免許を取得した『医師総数』と、実際に現場で働いている医師の数は違う。例えば、免許を取って現場に出た女性医師が、
育児や家事と医師業を両立できずに、現場から離れていくという現実も多々ある。一線現場で働ける医師数は減っている」
医療関係者はそう説明するのだ。
ただ、「働ける医師の総数」が減少しているからといって、これほどまでの急激な崩壊現象が連鎖するものであろうか。
問題はもうひとつ、医師が特定の地域や、特定の診療科に「偏在」しているのではないかというところに及んでくる。
問題は医師の「かたより」
「医師の偏在」を考えるうえで大きなポイントは2つある。「地域の偏在」と「診療科の偏在」だ。
厚労省の統計によると、人口10万人あたりの医師数は、一番多い東京都で264人。一方、青森、岩手、岐阜といった各県では
160人台しかいないのとは対照的だ。地方でも、郡部にいくとさらに医師不足が進んでいる。
都会は多いが、田舎は少ない。こうした傾向が、医療の世界でも加速しているわけだ。
こうした「地域の偏在」に「診療科の偏在」が加わり、事態が複雑になっている。
医師はいたとしても、ある特定の科に集中し、他の科には集まらない。若手医師から「きつい、厳しい」科は敬遠され、
「比較的ラクで、開業しやすい」科が人気を集める傾向が強まっているのだ。
具体的に言えば、「産科」や「小児科」「救急」などは緊急性が高く命にかかわる分野のため医師は私生活でも制約を受け、
さらに「医療過誤」との訴えを受けるリスクも大きい。
「一生懸命やっても最後にはトラブルになって裁判で負けるなんて、やっていられない」(若手医師)と、これらの診療科は敬遠されがちとなった。
無罪が確定したが、産婦科医師が逮捕・起訴された福島県立大野病院のケースは、産科医離れをいっそう加速させた。
医療崩壊だといわれる「救急患者受け入れ拒否」「閉院」などの現象が産科や小児科で頻発することの理由が、これで理解できる。
つまり、「働ける医師」が増えていない中で、それに地域や診療科ごとの医師の適正な配置が実現できていないことが絡み合い、
現状のような事態を引き起こしているとみるべきのようだ。