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早産男児、7病院拒否 10日後死亡 札幌で昨年11月
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札幌市内の30歳代の女性が自宅で早産した未熟児が昨年11月、7病院に「満床」などを理由に受け入れを断られ、
1時間半後に新生児集中治療室(NICU)のない市内の病院に搬送され10日後に死亡していたことが1日、分かった。
道内で医療体制が最も整備されているはずの札幌で、生まれてくる未熟児の生命が危機にさらされている現実が明らかになった。
専門医はNICU不足を指摘する一方「未熟児はすぐに低体温、低酸素状態となる。もっと早くNICUで治療できていれば
助かったはずだ」としている。
未熟児は搬送当初は呼吸をしていたものの病院に着いたときには心肺停止に陥っていた。リスクの高い新生児を引き受ける
道央圏で唯一の「総合周産期母子医療センター」である市立札幌病院も受け入れを断っていた。
市などによると、女性は昨年11月15日午後10時半ごろ、北区の自宅で腹痛を覚え、妊娠27週で1300グラムの男児を出産。
119番通報で男児は救急車で運ばれた。
市立札幌病院救命救急センターの医師がドクターカーで駆けつけて28分後にこの救急車に同乗し、車内で応急処置にあたった。
女性のかかりつけの医院は重篤な患者を受け入れる施設が整っていなかったため、救急隊が未熟児の状態を確認した直後から
消防局指令情報センター(中央区)が電話で受け入れ先病院を探した。
情報センターは市立札幌病院、北大や札幌医大、道立子ども総合医療・療育センター、民間の総合病院3病院に「NICUが満床」
などと次々と断られた。この中にはNICUがない病院もあったが「治療は無理」と断られたという。