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福山の医療機関調査 軽症 85%高度救急へ
患者や家族が指定 保健所「体制充実や啓発を」 /広島
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
福山市保健所が、救急医療体制の実態を把握するため、市内の31医療機関を対象に初めて行った調査で、
初期(1次)救急で対応可能な軽症患者が、重い症状に対応する2次、3次の救急病院に搬送されるケースが85%に上るなど、
非効率な運用が行われていることが明らかとなった。患者が掛かり付けの病院への搬送を希望することなどが理由と見られるが、
緊急性の高い患者が後回しにされる危険性もあることから、同保健所は「病院ごとに救急医療の役割を分担するなど、
何らかの対策が必要」としている。(諏訪智史)
調査はアンケート方式で、救急搬送を受け付けている市内の31医療機関に対し2006年度の実態を尋ねる調査票を、
07年12月~08年1月に郵送。回答のあった30機関分をまとめた。
その結果、入院不要とされた軽症患者の搬送が8228件あり、このうち75%の6158件が手術などに対応する2次救急を扱う
9病院に集中していた。県東部で唯一、24時間体制で生命の危機にある重篤患者に対応する3次救急を行う福山市民病院
(福山市蔵王町)の救命救急センターにも、軽症患者の10%(819件)が搬送されていた。
原因として同保健所は〈1〉患者や家族が病院を指定する〈2〉休日、夜間の当番医が一杯のため、2次救急に搬送する、
などのケースが多いと見ている。また、救急搬送の受け入れを断った経験のある医療機関は25に上り、理由は
〈1〉患者の病状から、ほかに適した病院があった〈2〉ほかに対応中の患者がいて、スタッフに余裕がなかった
〈3〉病床に空きがなかった―の順に多かった。
地域の救急医療体制に必要な対策を選択させる設問(複数回答可)では、「1~3次救急それぞれの役割分担を明確にする」が13件と最多で、
「夜間の1次救急受け入れ体制をもっと充実させる」10件、「患者や家族に適切な救急利用の啓発を行う」6件と続いた。
同保健所総務課は「軽傷患者が高度な救急病院に搬送されるケースが予想以上に多かった。医師会などと連携し、
本当に困っている患者を助けられる救急体制を構築したい」としている。(後略)