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被告の処置「標準的医療」 帝王切開死最終弁論
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1年4か月に及ぶ公判は、最初から最後まで、検察側と弁護側の全面対決で審理を終えた。16日に福島地裁で結審した、大熊町の
県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性(当時29歳)が死亡した事件の公判。業務上過失致死罪などに問われた産婦人科医K被告(40)の
弁護側は最終弁論で、「起訴は誤り」などと5時間半にわたって無罪主張を展開。K被告の処置が「臨床における標準的な医療」と強調した。
医療現場に衝撃を与えた事件の判決は8月20日に言い渡される。
弁護団の席には、8人の弁護人が並び、時に語気を強めながら交代で153ページの弁論を読み上げた。3月に禁固1年、罰金10万円を求刑した
検察側の論告後、「逐一反論する」としていた通りにした。
女性は、出産後に子宮の収縮に伴って通常は自然にはがれる胎盤の一部が、子宮と癒着する特殊な疾患。K被告が手やクーパーと呼ばれる
手術用ハサミを使って胎盤をはがした後、女性は大量出血で死亡した。検察側は「大量出血を回避するため、子宮摘出に移る義務があった」
と主張し、処置の当否が最大の争点になっている。
弁護側は最終弁論で、周産期医療の専門家2人の証言や医学書などを根拠に「胎盤のはく離を始めて途中で子宮の摘出に移った例は1例もない」
と強調。「K被告の判断は臨床の医療水準にかなうもの。検察官の設定する注意義務は机上の空論」と批判した。
手術中の出血量も争いになっている。胎盤のはく離が終了してから約5分後の総出血量について、検察側は「5000ミリ・リットルを
超えていることは明らか」として、はく離との因果関係を指摘するが、弁護側は「そのような証拠はどこにもない」とし、
大量出血の要因も手術中に別の疾患を発症した可能性を示唆した。