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「次の実香さん」出さぬように=青木絵美(奈良支局)
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◇「人と予算」伴った対策を―医師だけを問責するな
奈良県大淀町立大淀病院で今年8月8日、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった高崎実香さん(32)が、
19病院から搬送を断られた後、大阪府吹田市の国立循環器病センターで男児を出産し、8日後に亡くなった。
私は取材を通じ、出産前後の医療システムについて考えさせられた。「財政難」を理由にその整備を怠ってきた奈良県と、
深刻な医師不足で激務を強いられている医療現場双方が、「次の実香さん」を出さないよう、
今こそ「人と予算」の伴った対策をとるべきだと言いたい。
取材は8月中旬、高崎さん一家の所在も分からない中で始まった。産科担当医は取材拒否。容体の変化などを
大淀病院事務局長に尋ねても、「医師から聞いていない。確認できない」。満床を理由に受け入れを断った
県立医科大学付属病院(同県橿原市)も個人情報を盾に「一切答えられない」の一点張りだった。
搬送先探しが難航した背景は根深い。取材を進めると、緊急かつ危険な妊婦を処置できる「総合周産期母子医療センター」は
8県(秋田、山形、岐阜、奈良、佐賀、宮崎、長崎、鹿児島)で未整備だった。危険な母体を大阪府などに送る奈良の県外依存は、
ここ数年3??4人に1人の割合で推移する。県医務課の釈明は、「看護師不足や財政難がある」。
ただ、新生児集中治療室(NICU)が40床あることを挙げ「この病床数は大都市を除いて多い」と、
整備を急ぐ構えは感じられなかった。