08/03/05 18:34:48 69mjTRBT0
>>474
ここのところは難しいところがあります。
医療過誤が問題になった当初は,原告の連戦連敗が続きました。もちろん負けて当然の事件も多かったのですが
中立的なはずの鑑定がおかしかったものも多かったのです。高校の同窓会などで大学の先生方と飲んだときなど
医者に不利な鑑定など出すわけがないとあけすけに語っていたものです。ですから,原告側は,学会の一匹狼みた
いな先生に鑑定を頼まざるを得ず,裁判官も中立的な鑑定のおかしさに気付いたときには原告側の鑑定に沿った結論
を出すようになっていきました。
法律家の側の医療の閉鎖性と言うときには,この時の体験が大きいのです。
でもそのようなケースが出てくると原告側の鑑定人のゆがみの問題も考えなければならない。もともと,学会の異端
であったり一匹狼であったりするので,極端な鑑定,批判のための鑑定みたいなものがでてくる。原告側は勝てそうな
鑑定ということでその鑑定に乗っかってしまう。全体として,医療過誤事件の勝訴率は,一般の勝訴率から見るとまだ
低いのですが,医師の側から見ると1割でも医学的な見地から問題のある判決があると多いと感じるんだと思います。
法律家の医師の批判にも一面の真理があり,その法律家に対する医師の批判にも一面の真理がある。私はそう
考えています。