08/02/28 10:30:21 4Xpqcncz0
>>210
法律家として言えば,君の利益衡量は正しいと思う。治療しなければ失われていく生命・健康と
治療によって救われる生命・健康の利益,これに対する治療の過程での生命・健康へのリスクの
利益衡量だ。最初から,救われる生命・健康の利益を重く手当をしてもらわなれば困るというのは
当然だと思う。
過失致死傷の過失概念では,予見可能性と回避可能性さえ認められれば容易に過失犯が成
立してしまう。従来は,起訴便宜主義によって検察が起訴を抑制していたからあまり問題が表面化
していなかったが,最近は起訴便宜主義をあてにすることも出来なくなった。立法的な手当が必要
というのは当然だ。
私は医療行為における業務上過失致死傷の対象を重過失に限定するのが当面の解決としては
妥当だと思う。医療行為を業務上過失の対象からすべて外すのは国民感情が許さないであろうし
どんな重大な過失も処罰の対象とならないとすると公平の観点からも問題がある。重過失に限定
するなら国民からもそんなに反発は起きないと思うし,刑法体系をそれ程崩さないで済む。
その上で,将来的に医療事故についてすべて業務上過失致死傷の対象から外して,民事刑事の
別個の法的手だてを検討するのもありかなあとおもう。
しかし,文系,理系などというレベルの低い議論は止めた方が良い。せっかくの知性が品が落ちるよ。