08/03/22 20:24:20 zLH1v+ZA0
>「担当医の具体的な専門科目によって注意義務の内容,程度が異なると解するのは
相当ではなく」で有名な大阪高裁判決も、よく読んでみると宿直医に対する賠償請求は
棄却されており、設立母体である奈良県に賠償命令が出ています(後で医師に請求が
来たかどうかは知りません)「訴訟費用は,控訴人らと被控訴人奈良県との間では,
第1,2審を通じ,これを3分し,その1を控訴人らの,その余を被控訴人奈良県の各負担とし,
控訴人らと被控訴人E(宿直医)との間では,控訴費用は控訴人らの負担とする。」
「以上のとおり,被控訴人Eに注意義務違反を認めることができ,被控訴人奈良県は
債務不履行責任を免れない。 他方,被控訴人E(宿直医)については,救急医療行為は,
都道府県知事の認定した医療機関において行われるものであり,被控訴人奈良県が
設置した本件病院での救急医療行為は公権力の行使に当たると解するのが相当であって,
被控訴人E個人は不法行為責任を負わない。」
>また宿直医が心嚢穿刺ができなかったことを責めているわけではなく「自ら必要な検査や
措置を講じることができない場合には,直ちにそれが可能な医師に連絡を取って援助を求める,
あるいは3次救急病院に転送することが必要であった。」という点です。判事は専門医・
高次救へ転送しなかった点を重視しています。つまり無理して何でも診ずに高次に送れと
いう事です。これが「専門外は診るなという判決」といわれる所以です。
>現実には搬送先がすぐ見つかるわけはなく机上の空論なのですが、司法は医師が
全分野を全て受けなければならない義務があるとは考えていないようです。