08/10/24 13:00:13 C7yGADrz0
愛媛新聞:社説 2008年10月24日
妊婦死亡 お産の危機がここまでとは
URLリンク(www.ehime-np.co.jp)
脳内出血を起こした妊婦が八カ所の病院に受け入れを断られ、出産後に亡くなった。繰り返されるいたましい事態は
産科現場からの重い警鐘だろう。検証を急ぎ、対策に生かさねばならない。
妊婦が救急搬送されたかかりつけの産婦人科医院は異常を認め、都立墨東病院へ連絡した。妊婦や新生児に関する
高度な設備をそなえた都指定の総合周産期母子医療センターで、石原慎太郎知事の肝いりで創設した「東京ER」の一つでもある。
本来なら頼れる最後のとりでだ。
だが欠員のため、当直医一人態勢となる週末は基本的に搬送を断っていた。専用端末上では受け入れ可能となっていたほかの病院も、
満床などを理由に拒否した。
地方では出産できる施設すらない市町村が不気味に広がっている。一方、大病院のひしめく東京でも、
ひと皮むくと存立基盤がなんと心もとないことか。驚くばかりだ。
ほかでも診てもらえるという意識があるのだろうか。ただ、どの病院も綱渡りのはずで、それだけ苦悩は深い。
身近なかかりつけ医と高度な専門医療機関の連携がスムーズに行かなかった点も、大きな課題を残した。
病院にかかったことのない妊婦がいきなり救急搬送を要請し、受け入れ先探しに困難をきわめた事例もあり、かかりつけ医がいれば
万一のとき安心と思うのが患者心理だろう。それが今回うまく機能しなかった要因に、意思疎通の不十分さがあるようだ。