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県内中核的病院の産科医、4年で3割減 /長野
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県内で、妊婦の救急搬送を受け入れている地域の中核的病院に勤める産科医が、2004年1月時点の100人から、
昨年末時点で73人にまで減少していることが5日、日本産科婦人科学会医療提供体制検討委員を務める
金井誠・信大医学部講師の調査で分かった。本年度内にはさらに数人が辞め、70人を割り込む見通し。
過重な負担からさらに離職が進む悪循環につながりかねない状況だ。
調査は、県内で妊婦の救急搬送を受け入れていた病院(07年1月時点で22病院)が対象。産科医の退職者は
この4年間で43人に上った。退職の理由は、信大以外の大学から県内の病院に派遣されていた医師が引き揚げなどで
県外に転出したケースが12人と最多。次いで産休・育休が10人、開業や結婚に伴う県外転出が9人、
県内での開業が7人などとなっている。
これに対し、この4年間で県内の中核的病院に新たに着任した医師は16人。信大への入局が7人、県外から着任が5人、
産休・育休からの復帰が3人などで、差し引き27人が減少した。
金井講師によると、さらに本年度末で4、5人が退職する見通し。このほか、国立病院機構長野病院(上田市)に
産科医4人を派遣している昭和大(東京)が、今年春から段階的に医師を引き揚げる方針を示している。
厚労省が07年3月時点で都道府県を通じてまとめた調査によると、開業医も含め県内で出産を扱っている医師は112人。
ただ、この調査は初めて実施したため、過去との比較はできない。
産科医不足をめぐり、県内の産科医、小児科医でつくる県の検討会は昨年3月、広域圏ごとに医師の重点配置を提言。
入院を必要とする2次医療や救急搬送に24時間態勢で対応する「連携強化病院」として9病院を選定した。
金井講師は、産科医1人が年間に扱える出産数を連携強化病院で100件、地域の開業医で200件などと設定。
医療機関が06年に扱った出産数から、約50人の医師が不足すると試算している。
県の検討会委員も務めた同講師は「1人の医師が扱える出産の数には限界がある。最低限、連携強化病院の
態勢を守らなければ、24時間救急を受け入れる病院が確保できなくなる」と話している。