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先端施設手いっぱい リスク分娩(2) /栃木
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
保育器の中で眠る新生児の様子を見る看護師(独協医大病院の総合周産期母子医療センターで)
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「産科、小児科の医師が100%の態勢を作ってくれたので、優奈を産めた。もし受け入れてくれなかったら……」。
鹿沼市の横山由美子さん(30)は、長女優奈ちゃん(1歳5か月)の出産を思い出すたび、胸がいっぱいになる。
妊娠23週で突然破水。かかりつけの産科医院から独協医大病院(壬生町)の総合周産期母子医療センターに搬送された。
羊水感染が疑われ、心拍モニター検査で胎児の心音に異常が見つかり、すぐ帝王切開手術が始まった。麻酔で意識が薄れる中、
「せっかく授かった命。絶対に失いたくない」と願った。
生まれた優奈ちゃんは体重わずか452グラム。NICU(新生児集中治療室)で、おへそからカテーテルを挿入して点滴をし、
2日目は鼻から胃に通したチューブで授乳した。横山さんが保育器越しに初めて優奈ちゃんを抱いたのは約2か月後。
「肌がゼリーのようにペトペトしていて軽かった」が、恐る恐る抱きながら「何があってもこの子を育てたい」と思った。
退院まで半年以上かかり、現在も月に一度、同病院に通うが、体重は5.4キロに増え、順調に育っている。
胎盤早期はく離や低出生体重児、感染症など周産期(妊娠満22週~出産後7日未満)には様々な危険が潜む。同センター
新生児部門長の鈴村宏准教授は「横山さんのようなことは誰にでもありうる」と警告する。
◎ ◎
こうしたハイリスク分娩(ぶんべん)を扱う総合周産期センター(3次施設)は、年間出生1万人に1施設の配置が望ましいとされるところ、
年間出生2万人弱の県内には、独協医大病院、自治医大付属病院(下野市)の2か所がある。
しかし、実態は両病院ともほぼ手いっぱいだ。独協医大で73床、自治医大に90床ある産科と新生児病棟の稼働率は常に90%を超えている。
満床を理由に搬送受け入れを断る例が増え、両施設の受け入れ率は97年に独協医大が96%、自治医大が94%だったのが、06年は
それぞれ過去最低の70%、63%に落ち込んだ。