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逆に一般社会の側の問題点は「社会に許容されないもの」という基準で正常と異常の
線引きをしてしまいがちなことです。100人にひとりくらいの比率で酒癖の悪い、
いわゆる酒乱とよばれるひとがいますが、彼らは本来酒を飲まずにいられない人では
なくアルコール依存症とは厳然と区別されなければいけません。ところが2、3度酒乱
が高じて暴力ざたや傷害事件などを起こすと警察は刑事処分の対象外としてこれを
精神病院に連れてきます。もちろん精神病院に連れて来られた彼はまったく酔って
いない「正気」の状態ですから、そのとき精神を全く病んではいないのですが、この
社会的要求を否定することはできません。しかたなく「精神健常」の彼は3~6ヵ月
精神病院に入院することとなりますが、もともと精神健常の彼は入院して「治療」
されても健常な精神がさらに健常になるわけではなく退院していきます。
こうして精神の健常な彼は退院して1年くらいはおとなしく禁酒を守るのですが、
もともと酒を飲んだら必ず暴れるわけじゃない彼はそのうちごく健康に飲酒を再開
してしまいます。そして何度か何十回か飲酒を繰り返すうちに再び酒乱になり暴れて
警察~精神病院ルートに送られてきます。再犯の場合警察は精神科の対応に問題が
あったと言わんばかりに非難しますから、再入院の場合ふだん健常な彼の退院できる
道はほとんどありません。
こうして過去3回酒乱で傷害を起こしただけの人が社会的要求のため半永久的に入院
していたりします。