07/08/25 13:44:15 xZmus27H0
>>102続き
東京医科歯科大は研修先として人気が高く、毎年100人を超す研修医を受け入れている。これに対し本県は、
秋田大を含む研修指定13病院全体で研修医は年60人から70人ほど。募集定員の半分程度しか埋まっていない。
秋田大の研修医も毎年10人前後にとどまっている。さらに問題なのは、県内で臨床研修を終えた医師の本県にとどまる割合が下がったことだ。
このような状況が今後も続けば、本県医療は崩壊しかねない。県や県医師会、秋田大などが努力を続けているが、
決定的な打開策を見いだせないでいる。
そんな中、政府は臨床研修制度の見直しに着手した。地方の医療界を中心に批判が高まっているためだ。
検討されているのは、指定病院の受け入れ定数削減だ。それによって大都市圏から地方へと研修医の誘導を図ろうというもので、
来年度からでもぜひ実施すべきである。
秋田大と東京医科歯科大の連携も、地域医療への理解を深めてもらう意味で制度に一石を投じたものといえ、
その拡充が求められる。東京医科歯科大から派遣される研修医の数が限られ、期間も決して長いとは言いがたいが、
その中から地域医療に身を投じてみようかと考える医師が生まれる可能性がある。すぐに成果が期待できるわけでないにしろ、
地方の実態を理解する医師が1人でも増えることは、決して無駄にはならない。
実施に当たっては、秋田大病院そして大森病院での研修内容を充実させる必要がある。さらに、
滞在中の生活面も含めた研修医のバックアップ体制を関係機関に望みたい。地域医療の理解だけでなく、
地方で暮らすことの魅力の一端に触れてもらうことが、長い目でみれば医師確保と
県内医療充実につながる可能性を秘めると考えるからだ。