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社説:臨床研修の連携 医師確保の手掛かりに
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秋田大医学部付属病院(秋田市)と東京医科歯科大医学部付属病院(東京・文京区)が、
医師となる際に義務付けられている卒後臨床研修で連携することになった。秋田大の研修医は首都圏の医療を、
東京医科歯科大の研修医は地方の医療を体験できるというメリットがある。本県を含め、地方の医師不足は
深刻な状況にあるだけに、首都圏の研修医に地方の実態を知ってもらう絶好の機会であり、医師確保の手掛かりにしたい。
地方の深刻な医師不足の原因は、平成16年度に始まった卒後臨床研修だった。医師免許取得者に
2年間の臨床研修が義務付けられたが、研修先を自由に選べるため、研修医の多くは大学に残らず施設が整った大都市の病院に流出した。
その結果、医師派遣の重要な役割を担ってきた大学自体が医師不足に陥り、派遣先の地方病院から医師を引き揚げているためだ。
秋田大と東京医科歯科大が共同で実施する「広域連携臨床研修プログラム」は、国立大学法人同士としては
全国初のことであり、その試みを高く評価したい。具体的には、2年目の研修医を3カ月ごとに1人ずつ相互に派遣。
秋田大に派遣された東京医科歯科大の研修医は、3カ月のうち1カ月を横手市立大森病院で研修するという。
地域医療の最前線での勤務は貴重な体験となるであろう。