07/02/17 11:58:08 AZiCA1km0
最近、なぜか15年も前に受けた倫理学の授業の事を思い出す。
地震が起きて、あなたの目の前の家が崩れ落ちた。家の中には一人の女性と
その女性を往診に来ていた医師がいる。二人とも軽症だが、火の手が回って
きているのでどちらか一人しか助けられない。あなたはどちらを助けるか。
1、女性が、あなたの母親であった場合。
2、女性も医者も、あなたと関係ない人であった場合。
1の場合は非常に難しい論点があるので、一概に正解はない。
2の場合は、女性と答えた者は、倫理学を学ぶ素養がない。医師を助けた方が
その後に多くの被災者を助けられる事は明らかだ。「医師は人のためにある」
という者がいるが、医師が人のためにあるのは、医学を通じて人に貢献すると
いう意味であり、自己犠牲を強要するものではない。
医学生の頃は、自らの身をすり減らしてでも人に尽すのが医師の姿であると
思っていたので、強い違和感を感じていたのだが、今になって倫理学の先生が
いかに正しい事を言っていたのか良く分るようになった。
・・・しかし、医療に関係しない一般人や、マスコミの人たちは、2の選択肢
でも女性を助けるのが良いと強硬に主張するだろう。悲しい事だ。