ジブラルタ ~協栄の残党どもについて~at HOKEN
ジブラルタ ~協栄の残党どもについて~ - 暇つぶし2ch56:もしもの為の名無しさん
05/08/16 22:54:51
【理念としての愛】
西洋には,ギリシア時代に端を発する,愛についての二つの対立する理念がある。
一つはエロスといい,もう一つはアガペーという。エロスはプラトンの哲学に説かれている。
人間が価値あるもの,美しいもの,善きものを求めて,それと一体化しようとする憧れである。
最初は美しい肉体から,少しずつ段階的に,より完全で永続的なものへ,感覚的なものから
超感覚的なイデア(理念)へ,憧れの対象が高くなっていく。このようにエロスは,人間が
自分の意志で,自分を高めようとつとめなければ,得られないものである。他方アガペーは,
宗教的な意味での慈悲に近いものである。人それぞれの立場を越え,純粋に他者のために,
自分を犠牲にする隣人愛のことである。これはキリスト教に,より普遍化された形で継承されている
理念である。神の子でありながら,人の子としてキリストは,愛を説き歩いた。その結果受難にあい,
自己の死を契機に,あらゆる人間が等しく愛し合わねばならないことを示した。けれどもエロスと
アガペーは,対立すると同時に,たがいに補い合うものでもある。エロスが,あくまで意志によって
自己を高めようとする,自己実現の過程であるのに対し,アガペーは自己犠牲による他者実現の
過程をとる。この相反する過程をとりつつ,エロスはアガペー的隣人愛にまでいたりうるし,
アガペーには自らの愛する他者を,精神的にも肉体的にもいとおしく思う心が含まれている。
東洋でも,古くから愛については語られてきた。孔子が『論語』で述べている愛は,
性愛という意味に近い〈色〉ということばに示されている。〈徳〉と対比して,〈色〉は
下等なものとみなされている。〈吾れ末だ徳を好むこと色を好むが如くする者を見ざるなり〉とある。
仏教では,人間の愛を越えた〈慈悲〉というものが重視されている。人間ばかりでなく,植物・動物など
いっさいの生命あるものへの,仏陀の等しく広い愛にすがるべきことを教えている。


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