07/07/06 00:18:19
「グーグル」や「ヤフー」などで、ホームページ（ＨＰ）の検索順位を上位に
表示させる技術「検索エンジン最適化（ＳＥＯ）」の市場が急成長を遂げてい
る。広告効果が上がると注目が集まる一方、「逆に順位が大幅に下がった」な
どの苦情が、業界団体に寄せられ、訴訟を視野に弁護士に相談する経営者も出始めた。
危機感を募らせた業界団体は対策の検討を始め、「『順位を保証する』という
甘い言葉には特に注意を」と呼びかけている。大手６社でつくるＳＥＯの業界団体
「ＳＥＭＰＯ Ｊａｐａｎ」（東京、深沢幸一郎代表）などによると、利用者は
結果の３ページ程度までしか見ないとされ、順位が広告効果に及ぼす影響は大きい。
通常、自社のＨＰが他のＨＰに参照（リンク）される件数などで順位が変わる
とされ、ＳＥＯではキーワードを太文字などにする簡易なものからＨＰ内の
コンピューター言語の文法を変える対策などが取られる。ＳＥＯの昨年の
国内市場規模は、２００２年の８・３倍の約８０億円まで急増。今年は約９２
億円に達すると見込まれる。市場が拡大する一方、小規模業者が乱立。
同団体に寄せられる苦情の大半は「５位以内を保証する」などと契約し、
無理に順位を上げようとして逆に下がるケースという。大阪府枚方市の
インターネットショップ経営者（５５）は昨年７月、「トップページに躍り出る」
とＰＲする大阪市内の業者とＳＥＯ用ソフトの５年間リース契約を
約２２０万円で結んだが、導入前は１６～４０位だったのに約１か月後は
３００位以下に。業者は「順位の上昇は確約していない。順位が下がったのも
ソフトが原因ではない」と釈明。途中解約できない契約だったため、
現在も月３万余のリース料の支払いを余儀なくされている。経営者は弁護士
と相談しながら業者への法的措置を検討中。消費者問題に詳しい加納雄二弁護士
（大阪弁護士会）は「料金が高額なうえ、順位低下で広告効果も落ちるなど被害は深刻」と話す。
同団体は近くＨＰで「順位保証をする業者に注意を」などと注意喚起する方針で、
深沢代表は「放置したままでは業界全体の信頼が損なわれるので、業界挙げて
対策に本腰を入れる時期に来ている」としている。