10/03/14 16:03:32 u1f7inGK0
驚いた。若者の価値意識がここまで変わっているとは。まず、物欲が縮小している。車離れが
進んでいるとは聞いていたけれど、大半の若者が車に関心がなく、面倒だからと免許を取ら
ない者が増えた。少しでも酒を飲むと運転できないのが不自由だ。皆で飲むのが楽しく、
ドライバーだけ飲めないのは可哀想(かわいそう)で、遠くにも電車で出掛けることが多い。
昔は若者の夢の一つであったコンポーネントステレオなどまったく無関心。音楽はパソコンで
聴くが、iPodの普及で広がった。良い音を求めないのか。それはライブで楽しむようだ。
一人静かに聴くのではなく、皆でワイワイと楽しむのだ。物にロマンは求めず、機種を選ぶ
基準は「電池の持ちとかになっちゃうんですね」というから、唖然(あぜん)とする。
全編が著者二人と仮名の学生男女二人とのおしゃべりのかたちなので、若者たちがいったい
何を考えているのか、生々しく伝わってくる。性欲は減退してないというが、AVに強く刺激され
自己満足しているようで、それは減退ではないのか。AV女優が可愛くて、「彼女」に求める
基準が上がった。しかも、そのデジタル映像の女がリアルであるという。嗚呼(ああ)、特殊
出生率がさらに下がる。
どうやらデジタル情報化が、若者を大きく変えたようだ。それが行き過ぎて、したがって「情報病」
とするのだ。パソコン、インターネット、ケータイで、情報が若者の周りに溢(あふ)れている。
意外なのは、男同士で子どもを何人持つかで盛り上がるという。結婚したら専業主婦になって
欲しい。家庭志向なのだが、こうした価値観の大元は若者用語の「リア充」にある。現実生活が
充実して満足しているのだ。日本経済が大きく発展してとても豊かになって実現しているのだが、
若者たちがこのように小さく満足して、日本の将来はあるのか、豊かさを保てるのかというのが
オジサンたちのたいへん大きな心配である。そのへんは若者はどう考えているのだろう。
今週の本棚:森谷正規・評 『情報病…』/『丁稚のすすめ』
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