09/12/20 16:09:29 c4uu8Ad70
とある休日の午後、空腹の疼きに誘われて、俺はいつものスーパーに向かった。
そこは一部の奴らには激安ストアとして有名な場所だ。
到着するなり、俺の眼は野獣と化し、獲物を物色し始める。
いた！食肉コーナーの一角に陳列されている、ガチムチ神戸牛ステーキを発見。
値段はそんなに高くなさそうだが、産地直送の赤の深い色つや、
何より国産牛という安心な品質管理の響きが食欲をそそる。
たっぷりとした赤身の上に、うっすらと滑らかな脂肪の層が乗っているのがたまらねえ。
よし、今日はあいつにしよう。そう決めて声を掛けようと近づいていったその時だった。
「ごめんごめん、これ全部ちょうだい」
俺の横に割り込んで、そいつに近づいていったのは５０歳くらいの主婦だった。
ババシャツにロングスカート、普通にどこにでもいるオバタリアンで化粧も濃いから、興味ねえ。
そのままその女は旦那野郎と腕を組んでどこかへ行ってしまった。
畜生、食い過ぎじゃねぇかよ。何てこったい。
結局その日は他にいい肉も見つからず、失意のままスーパーを後にした。