09/03/05 19:14:40 XiH4y/iE0
210 名前:名無し物書き@推敲中?[sage] 投稿日:2009/01/21(水) 07:40:40
学生の頃、奨学金をもらいながら貧しくアパートに住んでいた。
流し場とトイレが共同で家賃は1万3千円。
イメージ的にはトキワ荘みたいな感じ。
ある冬も近い秋の夜のこと。
湿って冷たいせんべい布団にくるまって眠っていると、ドアをガチャガヤと回す音に気づいて目が覚めた。
ドアの磨りガラスには、廊下の裸電球に照らされた人影が数人見えた。
ん、何?と思ったとたんにドカーンって音とともにドアが勢い良く開いた。
ドアを蹴破ったみたいで、同時に3人の男が部屋に入ってきた。
「おらぁ!起きんかい!」「おらぁ」「うらぁ!」
掛け布団を引きはがされ、いきなり先の尖った靴で体を蹴られた。
部屋の電気が灯き、髪の毛を掴まれて顔を持ち上げられた。
「お前、○○じゃないよな?」
「○○はどこに行った?」
しゃがんだヤクザのお兄さんと髪の毛を掴まれたまましばし見つめ合う。
頭の中は
「殺される。殺される。お母さんごめんなさい」
ヤクザのお兄さんの質問に答えるどころではなかった。
「○○はどこにいるんだ?ん?」