08/10/26 22:45:08 A40z9+b20
ぐごぎょ、と無様な音を喉から漏らして、饅頭は吹っ飛び、壁にしたたか身体を打ち付けた。
「…………! …………!」
痛みで呼吸もままならず、叫び声さえあげられないようだ。何が起こったか理解もできないだろう。
「ぐっ、ぼッ、……! ごぶぇ?!」
ようやくひり出すような息を吐く。私はにこやかに問いかける。「大丈夫?」
「なっ……なにずん……だどぉ」
見たところ腹に外傷はない。意外に丈夫なようだ。嬉しい。
「あら、食べたいんじゃなかったの?」
「ぢがっ、うどぉ……、れびりゃがほじいのは」
再び足を腹に叩き込む。口から出るはずだった言葉が、衝撃で肺に戻される。
何度も蹴りこむ。後ろは壁だ。暴力は逃げることなく全て身体に突き刺さる。
ゆっくりは小さな手足で必死に身を守ろうとしている。その手足さえ、蹴れば柔らかな感触を跳ね返してくる。それがとても心地よい。
たくさんの蹴りを食らって、ゆっくりは痛みか恐怖かその両方かで震えている。頬を引っ張り、何か言うまで待つ。
「んー、どうしたのかな?」
「ぎゅ、んぐっ」
まだ返事はできないようだ。頬をつまんだまま揺すり、引っ張り上げる。結構重い。普通のゆっくりなら頬がちぎれてもおかしくない重さが掛かっているのに、そんなことはなく痛がる様子を見せるだけだ。本当に嬉しくなる。
頬を手放すと、再び床に転がる。そして、ずりずりとはいずるように、逃げようとする。
私は左の二の腕を踏んで阻止する。それでもゆっくりはジタバタと動くが、完全に縫い止められてそれ以上どこにもいけなくなってしまう。ああ、何て弱く、馬鹿な生き物なんだろう。
体付きがどれだけの強度を持ってるのか興味が湧いてきた。踏んだ足に体重を掛けてゆく。伝わってくる響きは、腕のきしみか