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義持血衣威(ギモッヂイイ)
戦国時代、多田野菊門尉(きくもんのじょう)等が考案した奥州
谷岡家の旗印に記された言葉。
当時の谷岡家ではこの戦国の世を生き抜くにはどうしたらいいか、と
盛んに議論されていた。家臣の多田野、大坊左御之助(さおのすけ)、
羽田野真螺衛門(まらえもん)らが協議した結果、「義を持ち続け、
衣を返り血で染め威を示す」という主君谷岡八天之介の生き様を旗印に記し、
家中を一つにまとめ、合戦でも士気向上を図ることにした。
実際に旗指物に記された言葉は「義持血衣威(ぎもちいい)」となった。
方言の訛りが出たのか「ンギモッヂイイ」と発音するものがほとんどだったが、
特に発音を修正されることはなかった。
これにより奥州谷岡家は小規模ながらよく団結し、伊達氏、最上氏などの
有力大名の侵攻をよく防いだ。しかし、1587年奥州統一を狙う
伊達政宗の猛攻の前についに力尽き居城の御狗道城は落城、当主
谷岡八天之介は切腹、介錯の代わりに背後から鉄砲で撃たせて果てた。
伊達政宗は、敵対しながらも奥州谷岡家の生き様に感銘を受け
彼等の遺臣を礼を尽くして迎え入れたという。
現在「ギモッヂイイ」という発音は「気持ちいい」が変化したものと
考えるのが一般的であるが、奥州谷岡家の生き残りの子孫達が
発している可能性がある。その場合は「義持血衣威」の意味で
発音しているということは言うまでも無い。
民明書房刊『軍旗の歴史』より