07/11/23 01:56:30 2FZjFEd+0
──あいやいやいやいやいやぁ、どうもどうも、アタシの名前は稲川なんですけどもねえ、ええ。
心に傷を負った女子高生っていうんでしょうかねえ、モテカワスリムで恋愛体質の愛されガールでしょうかねえ、ええ。
アタシがつるんでる友達はディレクターをやってる仮にAとでもしときましょうかねえ、それとADのB君、
訳あって不良グループの一員になってるプロデューサーのCさんでしょうかね。
友達がいてもやっぱり収録はタイクツってんで、今日もディレクターのAとちょっとしたことで口喧嘩になったんだ。
女のコ同士だとこんなこともあるからストレスが溜まるってんで、そんな時アタシは一人で繁華街をヒッタヒッタ歩くことにしてたんだ。
がんばった自分へのご褒美ってやつでしょうかねえ、自分らしさの演出っていうんですかねえ、ええ。
「あーでもねー。こーでもねー」そんなことをつぶやきながらしつこいキャッチを軽くあしらってたんですよ。
「稲川ちゃーん、ちょっと話聞いてくれない?」どいつもこいつも同じようなセリフしか言わないんだ。
キャッチの男はカッコイイけどなんか薄っぺらくてアタシはキライだ。もっと等身大のアタシを見て欲しいってんですよ。
でもって、「稲川さーん、すいません・・。」・・・またか、とセレブなアタシは思ったんだ。
うわぁあ、なんかやだなぁ、やだなあってシカトするつもりだったんだけども、人間おもしろいもんですねえ、
見ちゃいけない見ちゃいけないと思うと見ちゃうもんで、アタシはチラっとキャッチの男の顔を見たんだ。
・・・ちがうんだ、なんか分かんないんだけど、違うんだ。今までの男とはなにかが決定的に違うんですよねえ。
スピリチュアルな感覚っていうのがねアタシのカラダを駆け巡ってきた。もうここまでくると正気じゃあないんだ。
「ナンマンダブ、ナンマンダブ・・(カッコイイ・・!!・・これって運命・・?)」 もうお経唱えるしかないんだ。
男はホストだった。でもって連れていかれてレイプされた。
「やめてくれえ、やめてくれえ、ナンマンダブナンマンダブ・・・」ドラッグをきめたってもんですよ。
「ガシッ!ボカッ!」って耳元で音がしてアタシの意識がスイーツ(笑)と・・・
いやあ、こんなことって本当にあるんですねえ、ええ。