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時代の風:「健全育成」のために=精神科医・斎藤環
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◇適切な「環境」で育つのか
ひさびさに「表現の自由」を巡る議論がかまびすしい。
この2月に東京都は、東京都青少年問題協議会の答申を受けて、青少年健全育成条例の改正案を都議会に提出した。改正案には、18歳未満を対象にした児童ポルノの規制を強化すべく、
「非実在青少年」(漫画やアニメ、ゲームのキャラクターを指す)の性描写への規制や、「単純所持」規定(画像や図版を持っている行為を規制する)が盛り込まれていた。
この改正案は「表現の自由を損なう」として、多くの漫画家や有識者、出版業界の関係者らが強く反対の声を上げた。
その結果、都議会の民主、共産、生活者ネットワーク・みらいの3会派は、この問題については「時間をかけた審議が必要」との認識で一致し、継続審議とする方向で合意した(3月19日付毎日新聞Web版)。
実は私も、この件に関しては、これまで浅からぬかかわりを持ってきた。ここで私自身の意見を簡単に述べておこう。
私は漫画を含む児童ポルノを好ましいとはまったく思わないし、被害者が存在するタイプのそれは憎むべき児童虐待であり、唾棄(だき)すべき犯罪にほかならないと考えている。
しかし、「非実在青少年」については、その有害性が十分に実証されていない以上、「表現の自由」の価値が優先されるべきだろう。
それでなくても、すでになされている規制やゾーニングによって、青少年はわいせつ表現から十分に隔離されている。よってこれ以上の「改正」は不要、と私は考える。