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官僚にも「生活ある」…天下り抜本改革は先送り?
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政府は29日の閣議で、10月1日付予定の前内閣で内定した省庁あっせんによる天下り人事のうち、
独立行政法人理事長など現政権の閣僚の決裁が必要な人事は認めないことを決定し、
天下り前提の「早期勧奨退職」の禁止方針を確認する。
政府高官によると、予定されている人事のうち、独立行政法人の役員人事が約140人分あり、
このうち、30~40人について、「配慮すべき特別な事情がない限り認めない」との方針を閣議で打ち出すという。
平野官房長官は28日の記者会見で、10月1日付人事への対応について「それぞれの人生がかかっている。
生活もある」と語った。衆院選の政権公約(マニフェスト)の「国家公務員の天下りあっせんの全面禁止」の実現と、
政権交代による政策変更で多大な影響を受ける官僚個々人への配慮のはざまで苦渋の選択だったことをにじませたのだ。
政府は今回、前内閣が決めた人事を基本的に容認する一方、〈1〉独立行政法人の理事長や監事など、
法人を所管する各省庁の閣僚が任命権を持つ人事〈2〉理事長が決める理事などの人事―については例外的に認めないことを決定。
人事の全面見直しによる大混乱を避けつつ、「公約違反」との批判も同時に回避する苦肉の策をひねり出した。
ただ、早期勧奨退職の禁止徹底は公務員の人件費増につながる。民主党は国家公務員の定年を段階的に65歳まで延長することも視野に入れている。
政権公約で掲げた「国家公務員の総人件費2割削減」との整合性を取るには、「柔軟な降格人事」「幹部ポストの在職の上限年齢を定める役職定年制の導入」
「一定年齢以上の職員の給与引き下げ」など、公務員制度の抜本改革が必要となる。
しかし、人件費抑制のための具体的な制度設計はこれからで、当面は子ども手当の支給などの実現に手いっぱいで、
「力を振り向ける余裕がない」(政府高官)のが実情だ。また、公務員制度の根本改革には、民主党を支持する官公労などの反発が予想され、
来夏の参院選で参院の過半数確保を目指す民主党にとって、支持基盤の離反を招くような政策は先送りすべきだという声もあがっている。
(2009年9月29日03時07分 読売新聞)