09/09/29 00:29:46 qp9PDJZM
ダムに反対する市民団体「八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会」の嶋津暉之(てるゆき)代表(65)が
「これまでダムでにぎわった街はない」と指摘するように、ダムによる街の再生が成功するかは未知数だ
ろう。それでも、川原湯で「やまた旅館」を営む豊田拓司さん(57)は「夢物語だとは分かっているが、古里
に残るにはその選択しかなかった」と苦しい胸の内を明かした。57年という歳月の中で生まれた、複雑に
入り組んだ感情。取材中、淡い希望に残りの人生を託すしかなくなった住民の思いに何度も触れ、胸が
張り裂けそうになった。
前原国交相は必要性に疑問符が付くダムの建設を中止し、河川整備による治水を掲げている。確かに
ダムの必要性には疑問があるが、具体的な河川整備計画もないまま中止を宣言するのは乱暴ではない
か。代替案すら用意していないようでは、関係都県を納得させるのは難しい。住民の生活再建策と河川
計画を、セットで提示すべきだ。
言うまでもなく、一番の被害者は住民だ。しかし、住民にも考え直してほしいことがある。前原国交相が
「住民の理解なしに中止手続きは始めない」と言明した以上、話し合いのテーブルに着くべきではないか。
不満はその場でぶつければいい。
民主党が投じたボールはいま、住民の手元にある。足踏み状態が続けば、現地の高齢化が一層進むだ
けだ。一刻の猶予もないと思う。
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