09/07/19 18:55:55 VzzV5+8Z
注目したいのは、進歩保守党は2議席まで減らしたとはいえ、得票率が全体の16・0%もあったことです。
総定数が300議席強だから、丸めた数字でいえば50議席ほどは獲得しても不思議ではなかったのです。
実際、進歩保守党の27倍の54議席を獲得したケベック連合の得票率が13・5%、52議席の「改革」が
18・7%だったのに比べ、あまりに獲得議席が少ないのに驚かれる方も多いかもしれません。
それがさきほど、「こわ~い制度」と申し上げた小選挙区の本当の怖さなのです。ある小選挙区でA候補
が51%獲得する一方、B候補が49%だったとします。当選するのはもちろん、A候補であり、獲得票数が
僅差(きんさ)であったとしても、単純小選挙区ではA候補の勝ちは勝ち。別の選挙区でA候補と同じ政党
のC候補が51%、B候補と同じ政党のD候補が49%を獲得しても、C候補の勝ちとなり、A候補の政党が
2議席を確保します。これが他の選挙区でも広がりをみせれば雪崩現象となり、「総得票数は51対49と
いう僅差なのに、議席数では大差になってしまう」という数字のねじれ現象が起きてしまいます。
1980年の米大統領選でも同じような現象が起きています。2期目を目指した民主党のジミー・カーター
大統領が、共和党のロナルド・レーガン元カリフォルニア州知事に負けた選挙がそれです。レーガン氏の
総得票数は4390万1812票で、カーター氏は3548万3820票。得票率でいえば、レーガン氏が50・7
%だったのに対し、カーター大統領は41・0%でした。にもかかわらず、大統領を直接決める選挙人(これ
また米国独特の選挙制度)の数は、レーガン氏489人、カーター大統領49人と、およそ10倍もの差が
ついてしまいました。カーター大統領はメリーランドやミネソタ、ハワイ、それに地元ジョージアといった5州
で勝った以外は、全部の州でレーガン氏に敗北しました。雪崩現象です。